
English Garden
ブリティッシュ サマータイム
この原稿を書いている今日は5月24日ですが、長く冷たかったイングランドの冬も ようやく終わったという感がしています。先々週はこのあたり(イングランド南部) でも2日間、ground frost warning(霜注意報)が出されましたが、これは異例の遅霜だったようなので、 もうおそらく大丈夫でしょう。一方、時計のほうは一足早く3月最後の日曜日 (今年は3月30日でしたが)、未明1時と2時の間に1時間を調整してサマータイムとなりました。 実質的にこの日は眠る時間を1時間奪われてしまいます。日本との時差も8時間に短縮です。 GMT(Greenwich Mean Time/グリニッジ標準時)というなんだか堅苦しい時計から、 BSM(British Summer Time/ブリティッシュサマータイム)というちょっとリラックスした感じの時計になったわけです。 今度は10月の最終日曜日未明に1時間をプラスするまで、この時計で過ごすことになります。 毎年のことでも、やっぱり移行後の月曜日には学校などに1時間遅れてくる人は何人かはいるそうです。 僕は逆に、サマータイムが終わったときに一度やってしまいました。ヨットレースに誘われて、 10月最後の日曜日早朝、約束どおりスタートの1時間前にマリーナに到着したつもりだったのですが、 どうもレース前にしてはやけに静かでおかしいなと思っていると、ほかにも数人いました、バツが悪そうにうろうろしている人が。
サマータイムになるのと前後して、イースター祭です。 これは毎年3月下旬から4月下旬の間を移動する祝日で、ちょっとややこしいですが、 3月21日(春分)のあと最初の満月の次にやってくる 日曜日がイースターになります(今年は4月20日でした)。 この週末は金曜日から月曜日までが連休となり、学校もこの週末の前後2~3週間が休みになります。 イースターは磔になったキリストが復活したことを祝福する日で、 教徒にとってはクリスマス以上に重要な祝祭だそうです。 昔はキリストが40日間の断食をしたことにちなんで、イースターの前には 肉や卵などを食べない禁欲生活をするという風習があったそうですが、 今ではその名残のようなパンケーキデーというのがあります。断食した40日間が始まる前日に (日曜日は数えないことになっているのでイースターの46日前になる)、 みんなでわいわいとたくさんのパンケーキを焼いて、この日はこれが夕食となります。 また、イースターの週末には方々の教会やガーデンなどで イースターエッグハントというのが行なわれます。卵型のチョコレートや小さなおもちゃが 入ったケースを草むらや樹木の幹の陰などに隠して、子供たちが宝探しのようにそれを見つける、 というお楽しみです。冬が終わり、春の花咲き誇るなかを駆け回る子供たちを 眺めている大人たちにとっても、なかなか楽しいイースターエッグハントです。
3月から4月にかけて羊の赤ちゃんが産まれます。とてもかわいいんですが、 4ヶ月も経つとイギリス人が大好きなラムローストになってしまいます。 秋口には新じゃがといっしょにオーブンで焼いてミントのソースをかけていただきます。 数少ない“おいしいイギリス料理”だと僕は思います。おいしそうと思ってこの写真を見ている人もけっこういるかも?
4月には方々で一面真っ黄色のフィールドをよく見かけます。 アブラ菜ですが、オイルを搾るのでしょうか、牧草にするというのも聞いたことがあります。
さて、うちの“スモールシェイドガーデン”ですが、 周りの壁や屋根の形状によって複雑に制限されながらも、今の時季でも1日に3~4時間くらいの 日照があるようなので、夏には予想していたよりもたくさんの陽が当たりそうです。 今のところはハーブや野菜など口に入るものがメインの“Kitchen Garden”になっています。レタス、 小松菜、小ねぎ、たまねぎ、ロケット、リーク、グリーンピース、そしてカボチャにポテト。 ハーブはセージ、オレガノ、ローズマリー、アップルミント。小さいスペースですが、 条件のよくないこのガーデンで何が可能かを試そうと、とにかく多くの種類を植えてみました。 ポテトは植えてもいないのに方々から芽が出てきたので、前に住んでいた人が残していったものでしょう。 実は案外これがいちばんうまくいったりして…なんて思っています。 カボチャは狭いところでは無理だと思ったのですが、近所の人が棚に這っているカボチャを どこかで見たことがあるというので、竹で組んだ棚を壁に斜めに立て掛けてみました。 種は、半年ほど前に食べたとてもおいしかったポルトガル産のカボチャから取っておいたもの。 小松菜は食べるにはちょっとまだ小さいですが、いま人間が食べてしまわないとナメクジが 全部食べてしまうのではという勢い。しかし小松菜がなくなってしまえば、 今度はカボチャの葉っぱでも食べたくなるだろうと思ったり。 こんな小さなところで野菜を作ってみると、不思議とナメクジにも分け前をやりたくなる心境で、日に日に大きくなる小松菜に空く穴を眺めています。
目下いちばんの興味は、はたして本当にカボチャが空中に実るものなのかということ。
霜対策のワラがまだ残っていますが、部分的に少しずつ陽が当たっていきます。 みんな陽の当たる順番を待っている様子。一番手前が小松菜、カボチャ、リーク、たまねぎ、グリーンピース、ポテト。
通信販売で買った野菜の種。Seed-packet gardening という言葉もあって、 種の袋に書いてあるとおりにガーデニングをする人のことです。これがけっこうまくいくみたいです。
